学術アドバイザー
Academic Advisor
ごあいさつ
私が明治時代の出版物を調べ始めたのは、20年以上も前のことです。鎖国下の江戸時代には、日本に木版印刷による出版文化が花開きました。黒船の来航とともに、西欧から活版印刷の技術が伝来し、その後、数十年をかけて、書物は和紙に木版で印刷した和装本から洋紙に活版印刷した洋装本に、その姿を変えてきました。その結果、過渡期にあった明治期の出版物には、当時の人々の創意工夫が反映され、内容も形状も、とても興味深い本がたくさんあります。
その中でも、ちりめん本は多言語で出版され、浮世絵を想起させるような美しい挿絵と、和紙の特殊な加工による手触りによって、日本の文化を世界に伝える役割を果たしました。現代でも、日本の文化に興味を持つ方々にとっては、興味深い存在であり、大学の教材として使われる一方で、手に取ることができる人が限られ、デジタル化もされているけれど、特に海外の方々からは、関連の情報を見つけることが難しいという現実があります。
このホームページは、山村光久氏のちりめん本とカレンダーのコレクションを紹介するものですが、同時に、ちりめん本に興味を持つ国内外の方々の交流の場となることを心から願っています。
プロフィール
Profile
大塚奈奈絵(おおつか・ななえ)
1955年生まれ。図書館短期大学文献情報学科卒業。1976年国立国会図書館入館。専門資料部等を経て、資料提供部図書課長、同雑誌課長、収集書誌部主任司書、総務部司書監を歴任。2016年退職。この間に、東洋大学文学部通信教育課程、日本大学大学院総合社会情報研究科文化情報専攻(修士課程)修了。2012年4月から東洋大学文学部、2016年4月から千葉大学文学部非常勤講師、24年9月退職。その他、東京農業大学非常勤講師、早稲田大学の研究員などを務める。2021年4月から2024年3月まで神奈川大学客員研究員。
『ちりめん本とジェイムス夫人~ちりめん本が伝えた日本の昔話~』(郵研社2025)、共著に『テキストとイメージを編む―出版文化の日仏交流』(勉誠出版2015)、その他他論文多数。テレビ番組「幻の木版画 ちりめん本」監修、イェール大学バイネッキ図書館の特別展示Textured Stories: The Chirimen Books of Modern Japanの学術コンサルタント他、講演多数。